愛人が欲しい
愛人募集
行きつけの雀荘に女子大生の雀士がいた。
自分で言うのも憚られるが、僕は麻雀に向いていたと思う。麻雀にはイカサマでもかまさない限り、常勝はない。ただし、最終的なトータルでプラスになればいい。だから全然勝てない日も当然あったが、月間トータルではそこそこの額を稼いでいた。例え、その日に負けてもお金を相手に預けているだけで、トータルでは利子をつけて取り戻せるだけの自信があった。おそらく、麻雀の負け組はそんな1日だけの勝利に酔ってしまってトータルは考えない。言い方はよくないものの、僕にとってはそんなおっさんたちが絶好のカモだった。たまに負けていい気分にさせてあげることも、長くカモる秘訣なのだ。
そんな中に彼女がいた。僕よりも二回り年下であり、肩甲骨をすっぽり包むような長い髪と切れ長な目が印象的な冷たい感じのする女性だった。ちょうど、女性の雀士がテレビメディアなどに露出しだした頃の話であり、そう言うのを見て「自分にもできる」と踏んだ浅はかな女子大生だろう、と踏んでいた。
ところが、彼女が強かったのである。彼女の打ち筋は的確であり、何よりも決して振り込まない。押し引きのタイミングが抜群で、一度プラスになると、以降は決してマイナスにはならない守備力が驚異的だった。
年下の女子大生と言うところで舐めていたところがあったのだと思う。完全に僕は足元を掬われたのだ。
同時に彼女を愛人にしたいと思い始めた。当時の僕は愛人が欲しいと考えていた。そんな時に冷静で的確な判断力を持ち、こちらの配牌を見透かすような洞察力を持つ彼女は、愛人として魅力的だった。少なくとも、当時の僕には奥さんがいたが、妻より劣る愛人なんて意味がないのだ。
愛人が欲しい僕は「勝ったら愛人になれ、負けたら全財産をキャッシュで払う」なんて麻雀漫画のような勝負を彼女に持ちかけた。彼女が受けるかどうかは別として、僕の本気を伝えたかったのだ。
しかし、彼女は鼻で笑いながらこう言った。
「パパ、何冗談言ってるの?負け惜しみ?ウケるー」
20歳そこらの自分の娘に麻雀でコテンパンにやられた父親の威厳は、実は今でも回復していない。そんな娘も今は他の男の妻になっているのだけどね。
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